プログラミングを子供に教える、をIT業界人が本当にちゃんと考えたときに見えてきたこと-1

こどものプログラミング

いつ頃から言われだしたのか定かではないが、次世代グローバル人材の育成の必要性というのが叫ばれ、2020年から小学校でのプログラミングの教育が必修化になる。ただ必修化ということだが、国語や算数といったような正式な教科になるかというとそこまでではないらしい。

本当にいろいろな意見が飛び交っていて、この問題についての記事はネット上にも氾濫しているが、どうも実際にIT業界に身を置いてソフトウェアに関する製品やサービスを本当に使っている人からの声というのが少ない気がする。教育界視点での論点ばかりなのだ。そういうところからすでに気にはなっているものの、そもそも子供にプログラミングを教えることについて、どういう必要性があるのかを個人的に考えてみた。

子供にプログラミング教育をする必要性って?

直観的には、最近ってIT化とかすごいし、まあわからない話ではないよね、という話のだと思うのだけれど。実はちゃんとさかのぼると日本政府としていろいろな経済再生の施策を検討している中の一つであって、以下のリンクの中に詳しく書いてある。

決定等 - 日本経済再生本部

高度経済成長期以降、不況が続いてはいるもののやっぱり日本は物質的に豊かで、不景気だなんだというものの国としては先進国であり続けた。

でも、それがずっと続くかどうかは全然わからない。そして日本国民が豊かに暮らしていくためには新しい時代に対応していかなければならず、そのためにどうすればいいかを考えた結果がIT技術の根幹となるプログラミングだというわけだ。ITやデジタル分野で日本が他の国に後れを取ることがなく先進国であり続けるためには、やはり教育の面で手を打っていく必要があるというのが理由のように読み取れる。これは正しいように思う。

小学生のプログラミング必修化に対しては疑問も

だがしかし、ぼくとしてはちょっと待ったといいたいところだらけだ。IT社会に対応していくためには、そこから落とし込まれた最適な教育が必要だというのはその通りだけど、プログラミングなのか、プログラミングだけでいいのか、プログラミング以外にもっと大切なことがないのか、といろいろな観点がある。そもそも、プログラミングっていうのが何で、実際にやったことがあって、ソフトウェアを作ったことがある人が語っているのかどうかがわからないようなコメントがネット上を飛び交っていて、IT業界人からすると結構そういうのは涼しい目で見ているところがある。

これに対しては3つ、思うところをあげてみる。

IT業界人のほとんどは会社員でプログラミングはしない

ITに全く関係のないが子供のプログラミングのことを考えていらっしゃるお母さんにまずお伝えすると、IT業界人というのは日本にXX万人もいて、なんだか実は職種としては昔ながらの営業職や自部職と変わらず、大方のサラリーマンの中のひとつの大勢の人たちだということを前提に覚えていただきたい。一部の頭がいいシュッとしたかっこいい人や、理系メガネくん、オタク気味の無口な人のような、少数の人たちでは全くなくなっている。

例えばぼくもIT業界人で、一定の数のメンバーをもってチームを編成している。しかし、採用面接で「プログラミング」だけの能力で判断はしない。逆の言い方をすると、プログラミングができなくてもIT業界には採用される。今更かもしれないけれど改めてそう言っておきたい。

じゃあ何をやっているのか?というとまた色々とあるが、それは別の記事でまとめたい。

ほとんどのプログラミングは単なる作業

今や、世界一のお金持ちはITのビッグネームだけで占めている。

ビルゲイツは、Windowsを作って巨万の富を築いたが最初だけでいうと単なるプログラマだ。あとはアップルのスティーブジョブズもそうだし、グーグルの創設者もプログラミングが初めの一歩だった。ホリエモンも。

このあたりの伝説はいまだに一部の人たちに一獲千金の魔法みたいなイメージを植え付けているんじゃないかと思うが、それは全然違う。世界中で行われている数限りないプログラマのプログラミングは、単なる作業がほとんどだといっていい。食堂の料理人が料理を作ったり、工事現場の作業員が穴を掘る、経理事務の人が伝票をチェックする、というのと同じような作業だと考えてもいい。

プログラミングは海外の新興国にアウトソースするケース多し

私はITサービスを提供する仕事をしていて、新規製品を開発することは少ないもののやはりたまには開発案件、もちろんプログラミングを含む仕事をすることがある。しかし、プログラミングという作業は、基本的には中国に委託する。

理由はもちろんコストの差で、プログラミングの工程を日本人が行うより中国で行うと、なんとコストは大体2分の1から3分の1となる。できあがったソフトウェアは、日本人がプログラミングすると1,000万円でお客さんに納品するもののが、アジア系のプログラマが開発した場合には300万円で提供できたりする。これによって商売として圧倒的に有利になる。裏を返すと、アジア諸国へのアウトソースを活用せずに競争を続ける場合、なにかしら付加価値がなければ淘汰される(経営的になりたたなくなってしまう)ということだ。

プログラミングを子供に教えても意味ない?

ぼくの子供は現在小学校5年生で、本人が興味を持ってきたこともあるのでプログラミングを教えている。

さっきまでの話で、IT業界人はほとんど仕事としてプログラミングなんてしない、プログラミングはただの作業、プログラミングという仕事をアジア諸国の労働力を活用しないと競争に負ける、などと言っておきながら、それでも自分の子供にプログラミングを教えているのには、もちろんそれはそれで理由がある。

次回に。

コメント

  1. […] ぼくはIT業界に身を置いていて、別の記事でも色々書いている通り、子供の教育というのにも非常に興味を持っていて日々色んな考えが浮かんではウンウンとうなっている。 […]

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